継続が難しいと言われている英語のシャドーイングトレーニングですが、続ける事でどれくらいの効果があるのでしょうか。
実は、忙しいビジネスマンこそシャドーイングによる学習効果は高いのです。
シャドーイングによる英語学習法
シャドーイングとは、英語を聞きながらそれを真似して発音する通訳訓練法で、聞こえてくる英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけるのがポイントです。
「聞く」と「発音する」を同時に行うので、難易度は高く、学習方法を誤ると効果も出ずらいので、英語コンプレックスになってしまう可能性もありますが、ポイントをしっかりおさえて繰り返し練習することで、確実に英語スキルが上達する学習方法です。
シャドーイングと音読の効果の違い
シャドーイングと比較される学習法に音読があります。音読は、英語を声に出して読むという点においてはシャドーイングと同じです。しかし、シャドーイングは「聞く」と「発音する」を同時に行うのに対して、音読は、「聞く」の後に「発音する」という流れとなり、発音すること自体は自分のペースで進められるという特徴があります。
小学校の国語の授業で教科書を順番に読み上げていたのと同じですね。つまづいても、言い間違えても自分のペースで文章を声に出して読むのが音読なんですね。
音読は、シャドーイングと違ってお手本の音声と同じスピードで発音する必要がないので、初心者や英語のブランクが長い人に向いています。
シャドーイングが続かない理由
シャドーイングにはデメリットもあります。シャドーイングを継続して学習できない人の多くは、シャドーイングのデメリットにはまってしまっています。シャドーイングのデメリットには、次のような要素があります。
- 音声のスピードが速くてシャドーイングでついていくのが難しい
- 音声と自分の声が混じるので、正しくシャドーイングできず、発音がごまかしがちになってしまう
- シャドーイングの発音時に躓いたり言い間違えても、音声は待ってくれないので、言い直しがきかず、学習の効果を感じられない
全員がこのデメリットにはまっているわけではないと思いますが、上記のような状態になる人は、英語力がそれなりにある人に多い傾向にあります。
シャドーイング初心者の教材で使われている単語や文章は非常に簡単なものを使われているので、英語の知識がある人は、中級者向けの教材に手を出して、シャドーイングの学習方法も我流となり、結果上記のデメリットに陥ってしまいます。
英語は初心者じゃないけどシャドーイング初心者の人も、超簡単な英文からシャドーイングの進め方の解説のある教材から始めるのが継続して上達する秘訣です。
シャドーイングの効果
リスニングが苦手な人は、聞いた音を理解するのに時間がかかります。聞いた音を理解するのに時間がかかるということは、自分が発言する内容を文章にするのにも時間がかかります。
シャドーイングを行うことで、音声と意味の結びつきが強くなり、リスニングが強くなります。さらに継続することで、自分が言うべきことを文章にする速度も向上し、英語力が身につきます。
シャドーイングを継続すると、割と早い段階でその効果を実感できる人が多いのもシャドーイングの特徴ではないかと思います。まずは正しい学習方法で続けることが重要で、その結果得られる効果は次のようなものがあります。
- 英語を理解する速度が上がる
- 英語のリズムと強弱の感覚が身につく
- 総合的英語力の強がが出来る
効果1:英語を理解する速度が上がる
シャドーイングは、聴いた直後に内容を真似て発音をする訓練なので、音声を注意深く聞く必要があります。すると、耳が英語に慣れてくるのでリスニング力が鍛えられます。
初めはなかなか慣れずに、ゆっくりかもしれませんが、音声の速度変更もできるので、徐々にスピードを上げていくことができます。最終的に音声とほぼ同じスピードでシャドーイングができるようになると、リスニングだけでなく、スピーキングの速度も速くなります。
効果2:英語のリズムと強弱の感覚が身につく
英語の会話は発音も大切ですが、会話のリズムや発話の強弱も重要です。発音が多少間違っていても、会話の流れとアクセント・イントネーションが正しければコミュニケーションをとる事が出来ます。音声の直後に繰り返すシャドーイングは、会話のリズムや発話の強弱を身に付ける最適な練習です。
発音記号やアクセントの位置に関するルールを学ぶよりも、シャドーイングで何度も繰り返し発音することで、より早く英語を身に付ける事が出来るはずです。
効果3:総合的英語力の強がが出来る
シャドーイングを繰り返すことで、リスニング力とスピーキング力が同時に鍛えられますが、多くの英文を繰り返しシャドーイングすることで、読んだり書いたりする勉強と比べるとはるかに大量の英文に触れる事が出来ます。
さらに英語のスピードにも慣れてくるので、聴きとれる英文量もかなり増えるので、シャドーイングはリスニングとスピーキングだけではなく、英語の総合力を上げる事が出来る勉強法です。
効果的なシャドーイングの始め方
シャドーイングは、「見本(影)」となるお手本の英語の直後に発音していく学習法です。具体的な方法として、英文を見ながら発生する方法と、英文は見ずに音声だけを聞いて発生する方法があります。
どちらの方法でシャドーイングするにしても、効果的なシャドーイングを行う方法には共通の準備が必要です。
- 題材となる英文を理解する
- 音読をする
- 実際にシャドーイングする
1.題材となる英文を理解する
シャドーイングの初心者が初見の英文を使ってシャドーイングするのは挫折への第一歩と言わざるを得ないです。初心者向けのシャドーイングの参考書を見るとわかると思いますが、非常に簡単な単語や英文を用いてシャドーイングを行っています。
従って、シャドーイングをする教材は、事前に英文を理解している教材か、簡単な英文を題材にして始めるのが上達の近道です。
2.音読をする
簡単な英文でも、言葉にする経験が少ないと初めはうまく発音できないので、まずは自分のペースで音読をする事で、シャドーイングへの難易度を下げる事が出来ます。ゆっくりでもつまづかないように話せることになってからシャドーイングに進むことで、シャドーイングで発話ミスをして、音声に置いて行かれるような状況を減らす事が出来ます。
3.実際にシャドーイングする
実際にシャドーイングをして、自分の状況を把握します。音声データは0.5倍速など速度を遅くすることができるので、初めはスローペースでシャドーイングを行い、徐々に上げていく方法が効果を早く実感できる学習法だと思います。
シャドーイングが正しくできているか不安な人は、プロの講師による添削を行う「シャドテン」というサービスもあります。
シャドーイングおすすめ教材
シャドーイングの学習方法は私の経験を踏まえて簡単にご紹介しましたが、初心者向けの参考書にはより細かい学習方法の解説が載っています。
初心者がシャドーイングを継続的に続ける方法はこちらの記事で紹介しています。初心者向けの教材で、正しいシャドーイングの学習方法も書かれている参考書なども紹介しているので、参考になればと思いご紹介します。
まとめ
シャドーイングは慣れると非常にリズミカルに継続できる学習法だと思いますが、学習方法を間違えると、その効果を実感できずに英語に苦手意識を持ってしまう可能性もあります。
正しく練習すれば英語の総合力を上げることにつながるので、正しい方法でシャドーイングを日常化して、英語学習を継続しましょう。